
なつのおと
第4章 雨が降る
「よ、よし!!我が妹よ、仲良く帰ろうではないか」
あーもう無理やり肩なんか抱いちゃって。
結ちゃんなにげなーくその手外してるし。
「はあ。望月こええよ」
先生が前髪をくしゃっとかきあげて呟いたその口調にちょっと違和感を覚えたが、どうでも良かった。
ねえ。
俺田中さんと2人で帰って良いの?
「そいじゃ、間宮先輩!今度うち来たときゆーっくり話しましょうね」
黒髪を揺らして笑う彼女に何となく肉食獣の目を見たのは気のせいだろうか。
そのまま2人は昇降口を抜けて仲良く相合い傘をして帰って行った。
