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なつのおと

第1章 prologue



手を伸ばして受け取る時、彼の手に少し触れた気がする。


綺麗で長い指は自分よりよっぽどこれを上手に扱うのだろうに。


ずっしりとした重みが腕に伝わる。


「ちゃんと練習しておけよ。んで来年…来たときまた一緒にやるぞ」



そう。


また来年会える。


けれど別れを思うとこんなにつらい。



「…ったく、泣くなよ」

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