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Uターンズ

第2章 親子

「空き缶はこの中に入れてね~」

「そろそろ出発しますよ!」


法被姿の大人達がまた動き始め、子ども達も休憩終了モードで神輿のほうへ集まってきた。


「あっ」
「大丈夫!」

薫が歩道と車道との段差を踏み外したらしく、横向きに勢いよく転んだ。



「お父さん、これ痛そ…」
「肘、思い切り擦りむいてるな~!」
「バンドエイドあるよ」
「美咲ちゃん、さすがっ!」


こうなるとただ見ているわけにもいかず、葉子は4人に近づいていった。


「…ありがとうございます…あの」

茜の父親が葉子に顔を向ける。

茜は葉子と自分の父親を見比べ、目配せをした。


「お母さん… 薫くんの」
「あ…どうも」

近くでよく見ると、特別イケメンというわけでもないが、色白で清潔感のある顔立ちだ。


フレームの細い眼鏡の奥に、きょろんとした目がなんとなくあどけない印象があった。


「美咲ちゃん大きいバンドエイドあるかな… で、二人は先行ってて」
「はぁい」

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