刑事とJK~続編~
第15章 すれ違い
…何でそんなに
言葉を濁らせんだよ…?
オレに言えねぇことでも…あんのか?
イライラする
「小泉は…殺したんだぞ?
村上を…」
『…』
ゆうひは下唇を噛んだ
「何があったか…教えてくれよ…」
何で小泉を庇うのか…教えて…くれよ
するとゆうひは上目遣いで見てきた
『…怒ら…ない?』
保証はない
「ああ」
『…。
…爆発が起きて、水族館内がパニックになったの
あたしは誰かに押されて、こけちゃった
で…小泉が、立たせてくれたの…』
ゆうひはゆっくりと、しかし、出来るだけ事細かに話した
斉藤は、ただ黙って聞いていた
『それで――――』
ゆうひの声は小さくなった
『抱きしめられて…あたし、何でかわかんないけど…
あいつの…
あんな奴のために…泣いた…の…』
「今も…泣いてる…」
ようやく斉藤は口を開いた
『ごめ…斉藤…
言えなくて…ごめんなさい…』
「…」
『小泉…寂しそうな、顔…してたから…
あたし、…わかんなぃ…
自分と重ね…ちゃったの…?』
「オレに聞くな…」
何も…
言い返せない
ゆうひの性格はよく知ってるから
そうなってしまっても、仕方ない気がした
しかし、それを認めてしまう自分は
どうも許せそうにない…