刑事とJK~続編~
第22章 仲間
大男はズシンズシンと藤野に近づいていく
「ぁ…く…」
すぐ目の前に大男が迫っているのはわかるが、さっき頭を打ったせいで意識が朦朧とし、体が言うことをきかない
ガシッと胸倉を掴まれ、ゆっくり持ち上げられた
「は…離せ…」
首が締まって苦しい
視界がぼやけてくる…
大男は右拳を握り締めた
「藤野…!!危ない…!!」
南は、止めなければ…と無我夢中で駆け寄ろうとしたが
距離的にも時間的にも間に合わない
藤野の顔面に拳が当たると思った瞬間―――
「泰輔に何してんだあああああーー!!!!!!!」
大男の拳は藤野に当たらずに受け流され、そのまま腕を掴まれて放り投げられた
ズズーン…
大男は倒れたまま口ポカン
なぜって自分を放り投げたのは、華奢で可愛い女――真理子――だったからだ
「泰輔…!!
大丈夫…?」
真理子は藤野に駆け寄り、体を起こしてやった
「真理子…ありが…とう」
…情けないなぁ
大の大人が…嫁に守ってもらうだなんて
「頼りない男で…ごめん…」
何だか…泣きそうだなぁ…
「そんなことないよん
泰輔は、あたしの中で1番強くって1番かっこいいんだから♪」
真理子は藤野に抱き着いた
その腕が温かくって、優しくて…
藤野も思いっ切り抱きしめた