刑事とJK~続編~
第28章 次のステージへ
――――――――――
カタカタと、キーボードを打つ音が延々と聞こえる
吉川は思った以上に飲み込みが早く、次々とアルファベットを数字へ変換していく
「Agzjdzjmzbmp…」
岩崎はお経でも唱えるかのように、飛鳥に伝えていく
カタカタカタカタ…
飛鳥は、岩崎の言葉を一文字たりとも、聞き逃したり聞き間違えたりできない
ただ耳と指先に全神経を集中させた
「…」
集中していて、他のことを考えている余裕などない
そう思えたが
頭のどこか片隅で"あたしが役に立っている"という充実感を感じていた
一生懸命、デスクに向かって作業する飛鳥を見て
岩崎は思った
…あんなに、小さかった子が…今ではこんなに大きくなったんだね
「…hfkezrataz…」
まずいな
声が震えてきちゃったよ…
「jnpbg…dktz…」
ゆうひの時に散々泣かされたのに…
我慢しなきゃいけないなんて…
つらい
な…
――――――――――
「よし、また開いた」
2つ目、そして3つ目…柵はどんどん上がっていった
『だんだんスピードも上がってきてるみたい』
斉藤とゆうひは、先に突き進んで行った