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刑事とJK~続編~

第30章 逃がしちゃったね



――――――――――



『ええ!!!?』



ゆうひは受話器に向かって大声を出した




《ちょっと、あんま大声出して赤ちゃんびっくりさせたらだめでしょ?》



『まだお腹だから大丈夫っ、ってか、それほんとなの…?』




受話器の向こうで、飛鳥が言った



《ほんとだよ、あたしとゆうひは、いとこ》



『…』




《どうかした?》





『ううん…、ごめんね…何か…家族が増えたと思ったら、泣けてきちゃってぇ…』



必死に飛鳥に、言葉を伝えた



電話越しだと、何としても言葉を言わないといけないから





《赤ちゃんもうすぐだもんね》



『それもあるけど…飛鳥と…いとこ…ふぇえ~ん』




《ゆうひほんとに泣き虫》




『うぅうるさぁ~い、…お父さんは、どうするって?』




《田舎に戻るってさ。何かとあっちの生活も楽しいらしいよ》



『そっか…』



少しがっかりした




《でも、また赤ちゃん産まれたらおいでって言ってた!!》




『ほんとに!?
ふ…ぇぇえ~ん!!』




《ゆうひ泣きすぎ…
じゃね、また今度》




『ぅ…うん、ありがと…
お休みなさい』






ピ…





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