
刑事とJK‡番外編‡
第22章 刑事とBG
『あひぃいぃ~』
ドサッ
!!?
その気の抜けた奇声と倒れる音に反応して振り返ると、
ゆうひが廊下で目を回して倒れていた
「ゆ、ゆうひ…!?」
斉藤は急いで駆け寄った
『ゆぅれー…ゆぅれー…ゆぅれー…』
あ…そういやぁこいつ、幽霊系が苦手だったな…
ゆうひは団蔵の霊をうっかり見てしまったんだろう
…この世にお化けなんて、幽霊なんて、妖怪なんて…絶対いない
いるわけない…
ってか、いてほしくない
なのに!!
…見てしまった…おじいちゃんの幽霊…
もうヤダー…
呪われるー…呪い殺されるぅー…
助けてさいとぉ~
そう言えば…この目の前にいる人は…
あ、斉藤か
…斉藤…か…
ふ…ふぇええぇ~ん!!!
『怖かったよぉおお!!!』
ゆうひは斉藤に抱き着いた
…つもりだった
「あ…ちょっと…」
『え?』
!!!
斉藤じゃない!!!
あのボディーガードの…祐司って人だ!!!
『あ、ご、ごめんなさいぃ!!!』
ゆうひは慌てて祐司から離れた
な…何であたし、祐司さんに抱き着いたの!?
あ、斉藤とうっかり間違えたからだ!!
それより…ここは?
ゆうひは気を失っている間に、ソファーに寝かされていた
祐司は毛布でも掛けてやろうと思い、ゆうひの近くに来たわけだが
ゆうひはそれを斉藤だと勘違い
幽霊を見た恐怖から、思わず抱き着いてしまった
…わけだが…
「…」
しっかりその一部始終を見ていた斉藤
完全に拗ねてしまった
