
刑事とJK‡番外編‡
第23章 刑事とBG~Ⅱ~
…モノ…
…裏切リ者…
どこからか、声がする
「ひっ…!」
聡は顔を歪ませながら、窓際の方を指差した
そこには、再び団蔵の霊が浮かび上がっていた
すかさず祐司たちは、聡と芳子の盾になるように立つ
…ワシノ邪魔ヲスルナ…
団蔵は怒りの表情を、祐司たちに向けた
と、同時に椅子が宙に浮かび上がり、祐司たちめがけて勢いよく飛んでいった
「マジかよ!」
護は芳子を、圭吾は聡を庇い、椅子をよけていく
「んだよっ…シャレになんねぇぞ!!」
斉藤は自力で逃げ回った
祐司も避けながら、団蔵のもとに近づいていく
避けられた椅子たちは、あちこちに散らばった
「くそっ…あのじいさん、オレらも殺す気かよ!」
斉藤は叫んだ
幽霊相手じゃどうすることもできないし…
そう思ってると、祐司が団蔵に向かって歩いていくのが見えた
「おい、お前なにしてんだよ!」
「霊を説得する」
「はっ!?んなもん聞く相手かよっ…」
怒り狂う団蔵は、おびただしい姿で、祐司を睨んだ
「もう、やめませんか」
……ウルサイ……
「騙されて、殺されて…
怒り狂う気持ちもわかります…」
…ウルサイ…
「でもあなたも、そのきっかけを作った…」
…ダマレ!!
団蔵はカッと目を見開き、右手を天に向かって上げた
パンッ!
パンッ!
パンッ!
瞬間、窓ガラスが一気に割れ、ガラスの破片が祐司めがけて降り注ぐ
チッと舌を鳴らし、斉藤は祐司に向かって走り、腕を掴み、間一髪、ソファーの陰に隠れた
ガラスの破片はドスドスと皮のソファーに突き刺さる
「バカ!!だから危ねぇって言っただろ!!」
斉藤が祐司に怒鳴った
