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君が欲しい

第3章 皮肉な出会い

「南君、私あなたを何度か見かけたわ」


突然君が話し掛けてくるから、焦った。

「そう?」


携帯を見ながら、気のない返事をした。


「駅前の書店で何度か…覚えてないわよね」


「う~ん、分かんない。ごめんね」


「ううん、いいの」


覚えてない訳ねえだろ!


僕は君目当てで書店に行ってたんだから。

向こうが覚えてるって言ってんだから、素直に知ってるって言えばいいのに言えなかった。


君が仲村の彼女として登場しなきゃ、正直に言ったろう。


でも皮肉にもこんな形で知り合ってしまった。


だから言えない…


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