テキストサイズ

君が欲しい

第14章 君がいた夏

二階へ戻ると、君は料理をしていた。


「お腹空いたでしょ」


まるでさっきの事はなかったような、爽やかな笑顔だ。


「うん。ありがとう」


そう言うしかない。


朋美ちゃんさえ来なければ…


彼女が悪魔にしか見えない。


「誰が来たの?」


うっ、バレてるかも。


でも名前は出さなくてもいいか。


「友達」


君は一瞬手を止めて

「ふうん」


と少し顔を歪ませた。


僕は黙っていた。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ