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君が欲しい

第14章 君がいた夏

「朋美ちゃん、家はマズいよ。それもいきなり来られても」


「分かりました。また来ます」


「いや、本当、家は来なくていいから」


「せっかく会いにきたのに酷い…」


ああ、もう…疲れる。


「とにかく今日は帰って下さい。お願いします」


「・・・・・」


朋美ちゃんはようやく諦めてドアに向かった。


なのに、


「せんぱい、二学期会いましょうね!」


と元気良く手を振って帰って行った。


台風のような子だ。


「お前も大変だな」


親父がボソッと言った。


僕は黙って二階へ戻った。


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