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君が欲しい

第17章 僕の指

「OK、弾こうか」


僕は絡めた指を外しダスターで指を拭いて、電子ピアノの前に手を置いた。


え~っと、『アイ ラブ ユー』だっけ?


僕が君にアイ ラブ ユーなんですけど。


僕は君の為にピアノを弾く。


君は背中合わせになって僕に寄りかかって聞いていた。


僕の指は君にピアノを弾く為にあるらしい。


切ないな‥


おかげでピアノの音色は僕の心を映すかのようだった。


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