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君が欲しい

第23章 君のベクトル

「せっかく来てくれたのに、俺送るよ」


それでも君に伝えたくて言ったのに…


「ダメだよ。また潤平の家で会おう。

今日は帰るから」


ダメとか言わないで欲しかった。


「…分かった。タクシーまで、送る」


「うん」


君はほんの少しだけ笑みを浮かべて頷いた。


「慶友さん、後から行くから。先行ってて下さい」


「おう。必ず来いよ」


そう言って邪魔者は去って行った。


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