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君が欲しい

第23章 君のベクトル

騒がしいクラブから出ると、タクシーは直ぐに捕まった。


「真緒、ごめんね」


「ううん。じゃおやすみなさい」


「おやすみ。必ず連絡する」


君は微笑んでタクシーに乗って帰って行った。



僕はタイミングを逃した。


言えば良かったのに…


あの時言うべきだったのに…


僕はここから歯車が狂う事を知らなかったから、
呑気に次に会った時でもいいかな、なんて思っていた。


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