テキストサイズ

君が欲しい

第30章 山寺

僕はワイシャツのボタンを一つ閉めた。


「ちゃんと隠さないと佐伯さんに見られるぞ」


え・・・・・・・


「何?」


山寺はいたって冷静な顔で言った。


「なんで、佐伯さん?」


誤魔化さなきゃって焦った。


「はあ?おまえが必死で隠したってバレバレだから」


マジですか?


「今も切なそうに見てたろ」


なんなんだ、コイツ俺の事が好きなのかか?


「ちなみに、初めて仲村が連れてきた頃から分かってた」


山寺くんエスパーですか?


「仲村に内緒でコソコソ会ってたろ」


いや、ストーカーだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ