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数日後、落ち着かない日々を過ごすあゆみのケータイに、非通知の着信があった。

「非通知！？(拓真…)」
恐る恐る通話ボタンを押す。
「もし…もし…」

「イイ声は変わっていないな、あゆみ」

それは果たして、あゆみの予想通り、拓真の声であった。

「た…拓真…拓真なのね！！」
「ああ。深い暗闇から戻ってきたよ」
「拓真…私…」
「真由子と会ったんだろ？俺は全て知っているさ…」
「……」
「なんだ…俺が目覚めたのに喜んでくれないのか？あゆみ」
「嬉しいわよ…嬉しいけれど…私はもう…中山隆一郎の妻なの…」
「ふっ…あゆみらしいよ…君は優しすぎる」
「拓真…主人…隆一郎に復讐を考えているって…」
「ああ…当然だろう？轢き逃げされ、四年間を…プロ野球でプレーする夢を奪われたんだからね。あいつに復讐する為に、二度奇跡が起きたんだ」
「お願い、拓真！復讐なんてやめて！」
「なんだ…賛成してくれると思っていたんだけどな」
「賛成だなんて…私は隆一郎の妻なの…ね、会って、会って話を聞いて！拓真」
「会って話をしてどうする？俺は隆一郎に復讐することは変わらない」
「お願いよ！会って話を聞いて！」