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鬼畜の復讐2

第36章 手紙

隆一郎、あゆみ。

これを読んでいるということは、全て終わったということだ。
俺はもう余命幾許もない。

隆一郎。
俺はお前が憎い。許せない。
これは、死のその時まで変わらないだろう。
お前の家族まで巻き込んだ俺の復讐を後悔していない。
当然、謝るつもりもない。

目覚めたあの日。
全てを失っていたあの日。
何故、目覚めてしまったんだ?
目覚めないまま、死んでいた方が楽だっただろう。
だが、目覚めた以上、これはお前に復讐しろということだと理解した。
勿論復讐など、なんにもならない。
したところで、過去が変わるわけでもない。
しかし、しなければならない。

隆一郎。
本当ならば…お前の目の前で、愛する家族をなぶり殺しにしてやるつもりだった。
だが…殺してしまえば、死んでしまえば終わりなのだ。
お前が俺や家族にした仕打ち、された復讐。
全て背負って生きていけ。
あの世があるのならば…俺が先に行ってまっているだけだ。
その時に、ぶん殴ってやるよ。

あゆみ。
お前にも謝らない。
責めるつもりもない。
隆一郎と同じく、夫のしたことを背負って生きていけ。

お前達が生きている以上、俺はお前達の中で復讐しつづける。
それが俺の復讐だ。

~完~
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