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真由子が抱いていたもの…
それは、拓真の遺影と位牌だった。

「そ、そんな！？」
あゆみが絶句する。
「よかったでしょう？あなたたちの思い通りになって」
「……」
「あなたたちが謝罪にきたあとよ。拓真は負けたと、暴れたわ…そのあと、頭痛がすると言って横になって…気づいた時は冷たくなっていたわ…脳溢血…後遺症かも知れないって言われたわ」
「拓真…」
「白々しく悲しんだふりしなくていいわ。こうなるって望んでいたんじゃない」
「そ、そんなことないわ」
「とにかく、あなたたちの思い通りになった…私ももう疲れたわ…せいぜい、幸せに暮らすことね…ふん」
真由子は踵を返して出ていこうとする。
「あ、真由子さん」
立ち止まる真由子。
「彼の…拓真のお墓は…」
真由子がギロリとあゆみを睨み付けた。
「誰があなたなんかにお参りさせるものですか！それに、拓真は私の側においておくわ！彼、寂しがり屋だもの…」
そう言って、立ち去る真由子…しかし、彼女は不気味な笑みを浮かべていた…