鬼畜の復讐2
第36章 手紙
拓真の死により、全ては終わりを告げた。
解放された隆一郎達。
ホッとすると同時に、虚しさが込み上げてくる。
隆一郎達が解放されて程なく、雑居ビルは紅蓮の炎に包まれ、灰塵と帰した。
隆一郎は項垂れ、あゆみはむせび泣いた。
「父さん…母さん…」
賢太郎は二人に封筒を手渡した。
「これは?」
「二階堂さんから預かったんだ。全てが終わったら渡してくれって」
「二階堂が?」
隆一郎は二階堂拓真の手紙を恐る恐る開封した。
何が書かれているのか?
まだ何かあるのか?
あゆみも不安げに手紙を覗き込んだ。