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狼さんの腕のなか

第2章 取り引き

「凛・・・」
凛は確かに息をしていて喜ばしい限りなのに
酸素マスクを付け、顔から腕身体中に包帯を巻かれて寝ている姿は涙を流さずにはいられなかった

「美琴姉・・・凛は火傷の跡酷い状態で
残るんだよな?」

「うん・・・」

「僕さ・・・凛は絶対美人になるって思ってたんだ、いつかアイドルとかなっちゃうかもなって」
あははっと切なげに笑う

「声出せるようになんないの?火傷の跡綺麗に消すこと出来ないの?」
あたしにすがるように聞いてくる昌也

「お医者さんは出来ないことはないって
でも、いまのあたしたちに凛を治してあげる程のお金は無いし、もし凛を治してあげれても・・・」
他の孤児院の子供たちの生活すらも
ままならなくなる

「・・・ごめん、もう僕これ以上見てられない」
名残惜しそうにでも限界だと病室を
出ていく昌也

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