北斗七星
第5章 紗江の恋
「紗江ー!」
待ちに待った土曜日の夜
展望台のドアの近くでたたずんでいると、友達の声が聞こえた。
あたしは振り向いて返事をした。
「はぃ??」
「秀待ってんの?」
「ぅ、うん…///」
「わぁお♪がんばれっ」
「ありがと(笑)」
友達は6人くらいの集団のとこへ行ってしまい、あたしはまた一人になった。
秀は意外と遅くて、もうみんなは天体観測を始めていた。
あたしは一人でみんなと離れた所へ行き、組んだ腕を手すりに掛けた。
空を見上げると、綺麗な星たちが散りばめられていた。
「いいもん、あっちよりこっちの方が綺麗だもんね」
なぁんて独り言を言ってみた。
「秀…まだかな」
もしかして忘れてる?
「それにしても綺麗…」
「ほんとだな」
「えっ?」
真横から声がして、振り返るとそこには秀がいた。