Eternal Love…
第29章 甘いひととき
自販機まで歩く道のり。
お互い無言のまま歩く。
そんな無言の雰囲気をやぶったのは莱香さんだった。
「零くんとはどう?うまくいってるのかな?」
「はい…大丈夫です」
「そっか!よかった!」
にこっと微笑む莱香さん。
「髪切ったんですね」
「そうなの!似合うかな?」
「とっても似合ってます」
ロングだったときも綺麗だったけどショートになってからはますます綺麗になった気がする。
髪は女の子の命。
髪を伸ばしてる女の子がバッサリ切るのってだいたい失恋しかないよね。
何か…複雑な気持ちになってしまう。
「ららちゃんは気にすることないよ?」
「えっ?」
「あたしもう吹っ切れてるの。零くんよりもっといい人見つけて幸せになるんだ!」
そう語る莱香さんの表情は凛としてて強さがあって女のあたしでも不覚にもどきんとしてしまった。
失恋した女の子は綺麗になる───。
まさにそうだなって思った。
「だからあたしの分まで零くんと幸せになってよねららちゃん!2人の恋はきっと大変だと思うけど何があっても零くんと離れちゃダメだからね!」
「はい!ありがとうございます!」
莱香さんと楽しくおしゃべりしながら自販機で飲み物を買って部室に戻った。