Eternal Love…
第29章 甘いひととき
それから部室でしばらく4人でお菓子を囲みながらしゃべっていた。
「じゃーそろそろ帰ろっか!」
莱香さんの一言でお開きになった。
帰り道の方向は莱香さんだけ逆方向。
だから帰り道は3人になる。
「司!送ってってくれない?ちょっと付き合ってほしいとこあるんだ!」
「え~莱香さん俺帰りたいんすけど~」
「いいからいいから!ねっ!」
莱香さんは司の腕を掴みながらあたしに目で合図してきた。
きっとあたしとお兄ちゃんを2人っきりにしてくれようとしたんだ。
莱香さんの優しさにじーんっとする。
「じゃあねららちゃん!零くん!」
「はい!また明日!」
莱香さんは司を連れて夕焼けの中に消えていった。
「俺らも帰るか」
「そうだねっ」
どちらかともなく自然と繋がる手。
さりげなく車道側を歩くお兄ちゃん。
「莱香何か変わったよな」
「うん。すごく生き生きしてる」
おしゃべりしながらお兄ちゃんと帰る。
「今の莱香すげぇいいと思う。あいつは幸せになれるよな」
「うんあたしもそう思う」
莱香さんは前を向いて歩いてる。
今の莱香さんをほっとく人なんかいないと思う。
莱香さんが応援してくれた恋。
大切にしていきます。
いろんなこと教えてくれて本当にありがとうございました。
心のなかでそっと莱香さんにお礼を言った。