Eternal Love…
第33章 年越しの願い
それからアナウンサーの人が老夫婦にいろいろ質問をなげかける。
馴れ初めとか…お互いの好きなとことか…。
『私達は許されない恋を経て結ばれました。私と俊一(しゅんいち)さんは身分の差がありすぎて周囲から反対されました。けれど、俊一さんは家を捨てる覚悟で私を一生懸命に愛してくれました』
俊一さんとは老夫婦のおじいちゃんの方で、おばあちゃんはちえこさんと言うらしい。
『一度はかけおちも考えました。ですが愛する家族に認めてもらいたくて私達は3年間離れて生活しました。3年間経っても2人の愛が変わらなかったら結婚を許してもらえたのです』
ゆっくりと相づちをうちながら
アナウンサーの人は真剣に話に
聞き入ってる。
もちろんあたしも真剣に聞き入ってる一人だ。
『離れる日の前がちょうど元旦でした。その日、この神社にきて願いました。どうかこの恋が成就しますようにって。そしたら3年後俊一さんが迎えに来てくれたんですよ。そこからご両親に少しずつ認めてもらえましたねぇ』
昔を懐かしむように話すおばあちゃん。
2人は許されない恋をしたんだ。
ちょっと意味は違うけれど
あたしとお兄ちゃんにかぶった気がした。
2人が運命の相手なら───────
成就する恋────────────
あたしとお兄ちゃんは
これからどうなるんだろう?
先の見えないあたしたちの関係。
少しでもいい。
希望があるなら…
そのジンクスにすがりたい。