Eternal Love…
第33章 年越しの願い
「素敵な話ね…」
ママもパパも…
そして
お兄ちゃんも──────。
家族全員が老夫婦の話に耳を傾けていた。
「パパ、あたしたちは運命の相手同士なのかしらね?」
「当たり前だろ。運命の相手だから零やららが生まれたんだ。零とららが俺たちの運命の証だ」
「ふふっそうね」
パパとママもきっと
このテレビに出てる老夫婦のように
いつまでも円満だろうなって思う。
2人がもし、あたしとお兄ちゃんの関係を知ったらどうするのかな?
今のようにこうやって笑いあえるのかな?
…そんな都合のいい話ないっか。
けどもしいつか…もしいつか…
お兄ちゃん
パパとママ
両方を天秤にかけてどちらかを
選ばなくちゃならなくなったとき、
あたしはどちらを選ぶんだろう。
「らら」
不意に名前を呼ばれる。
「どうしたの?」
「なんでもない。呼んでみたくなっただけだよ」
そういって頭をぽんぽんとするお兄ちゃん。
お兄ちゃんも…何かしら考えてるんだろうな。
いつもと違って…哀しげな表情。
…あたしたち
…ずっと
…傍にいられるのかな?