Eternal Love…
第33章 年越しの願い
「あなたたち大きな恋をしてるのね…」
「えっ」
「あなたたちの瞳を見ればわかるわ。昔の私たちにそっくりだもの。辛くても誰かに認められなくてもあなたたちが思った道を歩きなさいね。後悔してはだめよ?」
おばあちゃんは全てを見透かしたように話してくる。
もしかして…あたしたちが兄妹だって気付いてるのかな?
まさか…。
「お二人ともついてきなさいな」
そう言われておばあちゃんの後についていく。
ついていくといつの間にか人気の少ない場所に着いた。
そこにはおばあちゃんの旦那さんのおじいちゃんもいた。
「俊一さん」
「あぁやっときたか。…と、そちらは?」
「私が連れてきたんですよ。そこで知り合ったんです」
おばあちゃんがそういうとおじいちゃんは優しく話しかけてくれた。
「きみたちも一緒に初日の出を見ないか?ここは私たちの秘密の場所なんだ。ジンクスの本当の場所がここだ」
つまり…今あたしたちがいるこの場所こそがジンクスが叶う場所。
そんなところに案内してくれたんだ。
「ここだけは私たちだけの秘密にしておきたくてねぇ。テレビでは言わなかったんですよ、ねぇ俊一さん」
「あぁ。ここは私と女房の想い出の場所だから」
2人の大切な場所を教えてくれたんだ。
なんて優しい人たちなんだろう。
「そろそろ初日の出です。2人が運命なら傍にいられますよ。さぁ願いを込めて下さいね」
「はい」
あたしとお兄ちゃんは
隣に並び景色を見つめる。
暗い空がだんだん明けてくる。