Eternal Love…
第36章 大好きな人と大切な人
「ららが悪いんじゃねぇ。俺が連れ出したのが悪い…」
泣きじゃくるあたしを後ろから抱きしめなだめてくれるお兄ちゃん。
「ららや零のせいじゃない。2人とも自分を責めるな。ママが悲しむぞ?」
「でも…っ!ママは…あたしのせいで…っ!」
「らら…っ。パパの話を少し聞いてくれないか?」
泣きじゃくり興奮するあたしを落ち着かせるようにパパはあたしの頭を撫でた。
「ママはなすごく後悔してたんだ。ららと零を傷付けたって……」
パパは今にも泣きそうな顔をしていて声は少しかすれていた。
「どうしてあんなきつい言い方しかできなかったんだろう。ららに手をあげるようなことしてしまったんだろうって…ずっと泣いてたんだ」
「ママが……?」
あたしの問いかけにパパは首を小さくたてにふった。
「だから…2人がいなくなったときママは酷く自分を責めた。今のららそっくりに…あたしのせいだっ…って言ってね」
ママが…泣きじゃくってたの?
あんなに血相をかえてあたしたちに怒ってきたママが?
「電話しても案の定出てくれない。もしかしたら司くんや結衣ちゃんなら出てくれるかもって思って2人にもお願いしたけど出ない。ららと零にもしものことがあったら…。って。ママは事故に遭うまでずっとそう言ってたんだ」
パパの言葉一つ一つから伝わる。
ママのあたしたちへの愛。
「まぁママが一番応えてたのはららの『大嫌い』だな。相当ショックだったみたいだ」
………知らなかった。
ママがこんなに心配してくれていたなんて。
『ママなんて大嫌いっ!』
何であのときこんなこと言っちゃったんだろう。
本当は『大好き』なのに。
ママのありったけの愛を
無視して、踏みにじってしまってた。
「あたし…っの…ばかっ!…ママは何も…悪くない…っ。大嫌いなんかじゃ…ないっ…本当は大好き…っっ」
お兄ちゃんへの想いでいっぱいいっぱいで
大切なものを見失うとこだった。