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Eternal Love…

第36章 大好きな人と大切な人


屋上の扉を開けると誰もいなくてあたしたちの貸切状態だった。


パパは屋上のフェンス越しから下の景色を見つめる。


あたしとお兄ちゃんはパパの近くで黙って立っていた。


説教されるのかな?


そりゃ…当たり前だよね。


黙って出ていったわけだし。


「らら…零」


名前を呼ばれて怒られることを覚悟したら





「おかえり」





予想していたのとは全く違う…

優しい一声だった。


「2人が帰ってきてくれてよかった。ママが起きたら教えてやらないとな」



パパは力弱く微笑みながらそう言った。



「ねぇ…パパ。ママが事故に遭ったのって…」




「ママが事故に遭ったのはたまたまだ。2人がいなくなったって心配して探し回ってたんだよ。もちろんパパや司くん、結衣ちゃんも。その時にな…ママは事故に遭ったんだ」



パパの話によると

あたしとお兄ちゃんがいなくなってママは心配して探し回った。

探してる最中にママはあたしによく似た後ろ姿を見かけて信号も見ずに道路を渡ろうとした。

その時に大型のトラックと衝突し…事故に遭ってしまった…。





「じゃあ…ママが事故に遭ったのは…あたしたちの…せい?」




あたしたちが…いなくなって…


心配かけさせて…探し回らせたせいで




ママは事故に遭ったんだ。





アタシノ…




アタシノセイダ。





「うわぁあぁっっ……!」




ママの事故の真相を知って
あたしは叫ぶように泣いた。




あたしの一方的な我が儘で
ママに痛い思いをさせた。



体にも…心にも…

あたしは傷をつけたんだ。

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