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ららと普通の兄妹に戻る─────｡


俺にそんなことができるのか?


『お兄ちゃんっ!大好きっ!』


俺にありったけの愛をくれるららが愛しすぎて…｡

今更兄貴面なんてできない｡


もう…女としか見れない｡


「頼む…零…っっ｡ららには…普通に幸せになってもらいたいんだ｡零…お前にも…っ」

何度も何度も頭を下げて頼む父さん｡

そんな父さんの姿を見るのが辛い｡


………周りを一番困らせてるのは俺か｡


ららとずっと一緒にいたくて､


我が儘言って駆け落ちして｡


両親や周りの人に心配かけさせて
母さんはそのために事故に遭った｡


そして父さんの正論である頼みを
受け入れることもできない｡


…じゃあどうすればいいんだ｡


どうすればいいんだよっ……!


「…………っ!」


拳を握りしめ歯をギリっと食いしばる｡


わかんねぇんだ…本当に｡

どうすればいいか…｡



「ちょっと…考えさせてよ…」


冷静になりたくて俺はロビーから離れた｡


ロビーを離れ病院内を歩いているといつの間にか母さんの病室前に来ていた｡


病室の扉はわずかに開いていてその隙間から見えるのは楽しそうな母さんとらら｡


今､ららが母さんに見せている表情は俺にみせる女の顔じゃなくて娘として母親に甘えている顔だった｡



そんな──────────



ららを見てふっと思った────｡