眠れぬ王子と猫な僕
第15章 愛しき王子
「止めて欲しかったらさ、謝れよ。
俺から逃げたこと、反省してるだろ?」
「ごめんなさいっ
ごめんなさい、ごめんなさい!
僕………あぁ゛……もっ、逃げません!!」
「言え。
俺が、好きだろ?」
「……………はぃ。
すき……です…」
痛みに耐えながら必死に言葉を紡げば、
璃依さんはお湯を止めた。
「愛してるよ……
妖巳………
何処までも、ずっと一緒だぜ?
お前は逃げることなんてできないんだ」
璃依さんの言葉は深く僕の心に突き刺さった……
逃げられない………
そうだよ…
この人は僕が何処に居ようと、
探しだして捕らえるつもりなんだ……
もう、逃げられない。