眠れぬ王子と猫な僕
第4章 モノクロな王子
「今日からずっと、俺と一緒に寝てほしいんだよね。俺、眠れないんだよ。」
「眠れない?どうして?」
「6年前ね、俺が12歳の時、父さんと母さんが二人で自殺したんだ。うちの財閥は、お爺様が会長なんだけど、会長は厳しい人でさ。父さんと母さんをどんどん追い込んでしまったんだ。まだ12歳だった僕をお爺様はここに閉じ込めて、徹底的に教育して。自由に外に出れるようになったのは、15歳の時だった。友達なんて、全然できなくて、僕は……ドラッグに手を出した。」
「ドラッグ……?シンナーとか?」
「そう。僕が使ってたのはMDMA。2年間、薬漬けだった。でも、メイドにバレて治療をはじめた。でも、夜眠ろうとすると必ずフラッシュバックに襲われる。治療をはじめた日から眠れなくなったんだよ。だけど妖巳が居てくれれば少しは落ち着く気がする。」
「なん、で薬に手を出したの?」
「ショックだったんだ、父さん達の死が。」
「そうなんだ……。」
――――コンコン
『失礼いたします。ディナーの用意が出来ております。』
「わかった。行こうか、妖巳。」
「うん、いく!」
瑛兎さんにも辛い過去があるんだなぁ。
夕食はとても豪華で、感動した。
コースになっていてどれも美味しかった。
ベッドに横になるときには、もう3時になろうとしていた。
僕は眠たかったから、すぐに眠りについてしまった。
だってベッドふかふかなんだもんっ
しょうがないよね。
でも、瑛兎さんが心配だった。