眠れぬ王子と猫な僕
第5章 ちいさき猫
その話が効いたのか、夕食のとき交わした会話はあまり壁を感じなかった。
それどころか、
「おいしい?」
と、尋ねた俺に
「うんっ!とってもおいしい♪」
と、笑顔を見せてくれた。
しかしまあ、フォークとナイフを使うのは初めてだったのだろう。
大分戸惑っていた。
そこがさらに可愛いんだけど。
俺の部屋に戻り、ベッドに横になると妖巳はすぐに寝てしまった。
俺のことを心配しているようだったのに、眠気に負けてしまうなんて本当に可愛い。
妖巳、俺は出会ったときから君のことが………