眠れぬ王子と猫な僕
第7章 曖昧な関係
「妖巳、着れた?」
「うん……着れたけど………」
僕は今、瑛兎さんに連れられて買い物に着ていて、瑛兎さんが選んだ服を試着している。
どれもブランド品ですごく高そうだ。
それに僕にはサイズが大きくて、普通のTシャツの裾が膝上くらいまできている。
胸元はしまってるからいいけど、まるで自分が小さいのを強調している様で恥ずかしかった。
「妖巳、着終わったなら早く見せて?」
「ん〜、やぁ。」
「はぁ。開けるよ。」
「え?ま、待って!ダメだっ…」
カチャ
呆気なく扉が開けられる。
「………、/////!止めてよ!」
「やっぱり妖巳には大きいか。まぁでも違和感はないな。すいません、これ買います。」
【はぁい。ありがとぉごさいまぁす。】
「瑛兎さん、ぼ、く、小さいから、似合わないし、恥ずかしい…」
「大丈夫だよ。妖巳、小さいのは悪いことじゃないよ。気に病むことはない。」
「優しいな、瑛兎さん……」
本当に瑛兎さんは優しい。
優しいから、いつかは離れなきゃいけない。
僕みたいな汚い化物が瑛兎さんみたいに綺麗な人と何時までも一緒にいたらダメなんだ。
「ん?何か言った?」
「なんでもないっ!」