眠れぬ王子と猫な僕
第7章 曖昧な関係
「力ずくってことになるかな?暴力じゃないけど。」
「言わなきゃ………ダメ?」
「だめ。」
僕は仕方なく、母さんのこと、大野さんのことを話した。
「それで汚れてるって言ったのか。」
「母さんが僕に言うんだ。僕は汚い化物で役立たずだって。僕、ほんとに何も出来ないし……。身体を売るしかないんだ………」
「そんなことないって。今はまだ世間に馴染めてないから出来ないことばかりだけど、いつかは出来るようになる。」
瑛兎さんは勉強も教えてくれるといった。
僕はそこで気づいた。
最近、自然と笑えるようになったこと。
小さな笑みかも知れないけど、前より自分に表情が増えた。
それは瑛兎さんのおかげだからだよね。
僕の願いは1つだけ。
あと少しだけ、瑛兎さんの傍にいたい。
この気持ちはなんだろう?
瑛兎さんは僕にとっての何だろう?
わからないのがもどかしい。
気づいてはいけない気もするけど、
知りたいな…………
許して下さい……
多くは望まないから………
――――神様、お願いします。