眠れぬ王子と猫な僕
第11章 学園と嫉妬と危険な香り
「駿咲先輩……」
「その汚い手を離せって言ったのが聞こえないのか?それとも、退学をお望みかな?」
「おい奏、諦めろって。行こうぜ。」
「最悪……。またね、姫♪」
赤司くんと秋津くんは屋上へ行った。
「遅くなってごめん。怪我してない?」
「してないよ。」
「良かった。実は妖巳に紹介したい人がいるんだ。」
「だぁれ?」
「まあまあ、とりあえずおいで。」
瑛兎さんが手を差し出す。
意味がわからなくて首を傾げると、右手を掴まれた。
「手、繋いでもいい?」
「ここ……学校だよ///?」
「大丈夫(ニコッ」
そのままたどり着いたのは生徒会室。
「生徒会の人?」
「まぁね。」
―――コンコン
「……どうぞ。」
―――ガチャ
「連れてきたよ、冷。」
「おー!本当に女の子みたいだな。可愛い。」
いきなり顔を近づけてきた男の人に驚いて、瑛兎さんの袖を掴んだ。
「かいちょ、その子ビビってんじゃん。それに僕よりその子が好きなわけ?」
「拗ねなくてもいいだろ。愁が一番好きだって。あまりにも綺麗な子だったからさ。」
「瑛兎さん、この人達、だぁれ?」
「こいつらは………」
「申し遅れました。俺は生徒会長の竜洞冷(リュウドウレイ)です。」
「僕は副会長の篠薔薇愁(シノバラシュウ)だよ♪冷の、コ・イ・ビ・ト☆」
「こ、恋人?」
「学園の公認カップルで、冷は俺の親友なんだ。」
「んでね、俺達はどうしても瑛兎のお気に入りが見たかったわけ。」
「妖巳、クラスで大変なことになってるんだって?僕、そーだんのるから、ね?」
「は、はい……」