眠れぬ王子と猫な僕
第11章 学園と嫉妬と危険な香り
あっという間に時間がすぎて昼休みになった。
「つ、疲れたぁ…」
授業であてられなくてほっとしていると、秋津くんが話し掛けてきた。
「姫、昼飯俺らと食べようぜ」
机に伏せていた顔を上げて秋津くんを見上げる。
「え?でも、僕……」
「ひ〜めっ♪大丈夫だよ!駿咲先輩なら、生徒会長に呼ばれてたし。」
「赤司くん……」
「奏!お前も狙ってんのか?」
「つか皆だろ笑)姫、屋上行こ?」
「僕、お弁当無いから……えっと。」
「何?姫、売店で買う気?止めとけって。姫ならマジで死んじゃうよ。」
「何でですかぁ?」
「男子校の売店はせんそーだよ。1年には勝ち目ない上に姫みたいな子は押し潰される笑)」
「俺の分けてやる。ね、行こ♪」
「でも……」
「っいいから来いって!」
ぐいっと腕を強く引かれてバランスを崩す。
「止めて下さぃ……!」
「来いっていってんだから、黙って付いてこい!」
さっきまでと違い、強引に腕を引かれる。
「……っ!!」
―――助けてッ!
「おい、妖巳から離れろ。」
赤司の腕が僕から離れた。