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第9章 裏と表

図星を言われ私は一瞬押し黙る。恥ずかしさに思わず俯いた、言い訳すらどうでもよくなり私は律を見ずに言っていた。

「や、ヤキモチですよ……
律が他の子と仲良くしてると嫌なんです」

『好き』と言っているようなものだけど言わずにはいられない。取られたくない、それだけ私は欲張りで自分勝手だ。

しかし、言ってから数秒が立っても律は何も言ってくれなくて私は不思議に思い彼に視線を戻していた。

すると、口元を片手で隠し何処か照れている様子が窺える。パチッと目が合うと、律はそっぽを向き言った。

「あんま、そういうことを言うな。
調子が狂うだろ……」

「うっ、ごめんなさい」

反射的に謝る私、顔が見えない律から溜め息が聞こえた。

「謝るな、怒ってる訳じゃね―し
ちっ、くそっ! 顔がニヤけんだよ!」

え?

私はソロリッと律の顔を覗き見る。

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