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第10章 裏と表(律視点)

中垣は険しい顔付きになり、知る情報を口に出す。

「ん――、あの子が怪しいったってなぁ。
生まれつき身体が弱いらしくて、学校にも殆んど来てなかった子だぜ……
あ、でも、家がかなりの金持ちらしい」

「なるほどな、氷の女王の名を持っていても可笑しくはないか」

そう返した俺に、中垣の戸惑う声が耳に届いていた。

「おいおい、マジかよ……」

「可能性は有り得る、ただ、今回は俺個人では動けない。そこでお前だ」

ニヤリと口角を上げた俺を見ながら中垣は顔を引きつらせた。

「ちょっ、え? 俺かよ……」

そう言い自身を指差す。コクリと頷き、俺は中垣に言っていた。

「信用出来るのは、お前だけだ。多分だが、俺達の班全員がその手の者だと思っていいかも知れないな」

「うわぁ、マジで嫌なんだけど……」

そう言い肩を竦める中垣に俺は言った。

「取り敢えずは、班の全員を調べろ。何か分かればお前から話に誘え」

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