オレンジ
第10章 裏と表(律視点)
「分かった」
そう言うしかなかった。睦月には悪いと思っていても、離れたくないと俺は思ってしまう。それだけ、彼女の空気が気に入っているし手離す事などしたくはなかった。
女は満足気に事の説明を終え居なくなった。残っていた俺に今度は中垣が、現れていた。
「長谷川~
そろそろ、集まってくれよ……」
そう言い困った顔を見せる。俺は未だ険しい顔付きのまま、中垣に話していた。
「少し気になる事がある……
お前が前に話していた奴等の事だが、何か分かった事はないか?」
腕を前に組み悩み出す中垣、奴等とは睦月に影から嫌がらせをする張本人だ。未だに氷の女王と名のある人物が分からず、立往生していたからだ。
今は睦月対する嫌がらせも少なくなり、安心していたが今回の件はどうも、それと関係があるようだ。情報提供者として中垣と、この話について唯一話す間柄だ。
「うんにゃ、俺が聞く話しはどれも嘘ぽいもんばかりだしな……
実際に氷の女王と会った奴も居ないし」
「そうか、なら聞きたい事がある」
そう言い、俺は先程の“野原刹那”の名前を口に出した。
そう言うしかなかった。睦月には悪いと思っていても、離れたくないと俺は思ってしまう。それだけ、彼女の空気が気に入っているし手離す事などしたくはなかった。
女は満足気に事の説明を終え居なくなった。残っていた俺に今度は中垣が、現れていた。
「長谷川~
そろそろ、集まってくれよ……」
そう言い困った顔を見せる。俺は未だ険しい顔付きのまま、中垣に話していた。
「少し気になる事がある……
お前が前に話していた奴等の事だが、何か分かった事はないか?」
腕を前に組み悩み出す中垣、奴等とは睦月に影から嫌がらせをする張本人だ。未だに氷の女王と名のある人物が分からず、立往生していたからだ。
今は睦月対する嫌がらせも少なくなり、安心していたが今回の件はどうも、それと関係があるようだ。情報提供者として中垣と、この話について唯一話す間柄だ。
「うんにゃ、俺が聞く話しはどれも嘘ぽいもんばかりだしな……
実際に氷の女王と会った奴も居ないし」
「そうか、なら聞きたい事がある」
そう言い、俺は先程の“野原刹那”の名前を口に出した。