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第13章 真実と罠

一か八か
私はゆっくりと瞳を開いた

目の前の男が私を楽しげに見ている。
だから、ニコッと笑って

「ねぇ、もっと楽しくやりませんか?」

「ん――? なに、もう諦めた感じ」

「やるなら、楽しくやりたい気分なんです」

そう言い、後ろから胸を揉む男の方に私は顔だけ向けた。

「貴方も、ね」

そっと唇を近付けゆっくりと重ていた。突然のキスに、男は目を一瞬見開いたが私の唇に再度唇を重ていた。

ヌルリと口内に入り込んだ舌。

息苦しさと初めて知った大人のキスに、涙が出そうになった。我慢、我慢するしかない。

ハァっと、息を吐き唇が離れ
私は男の手をスルリと抜けていた。

ギュッと抱き付き、言葉を囁く

「もっと、もっとして……」

惚けたような表情を浮かべる男から、もう一人の男の方を見て

「どっちが上手いのか、私に教えて?」

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