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オレンジ

第2章 関係

「ほら、早く言わないと教えてやらないぜ」

「……っ!」

真っ赤に染まる顔が、自分で分かる。緊張する唇を動かし声を絞り出した。

「り、つ……」

「あれ、聞こえないけど」

耳に手を当て、わざとらしい言い方をする彼に私は必死に声を出した。

「もう! り、律、律…」

「はい、良くできました。今度からそう、呼べよ。睦月」

目が点になる私は、自分の名前を呼ばれることの嬉しさに方針状態になった。

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