テキストサイズ

オレンジ

第4章 固い壁

バンッ

蹴飛ばされた机、教室内が一気に静まる。

律の方を恐る恐る向くと、目が鋭くなっていてキレている様子が分かった。

こうなると、私は席を立ち律の方を向く。

「物に当たらないで下さい、何が嫌なんですか?」

そう言うと、律には舌打ちし睨んだまま怒鳴った。

「最近のお前にはイライラするっ! 言いたいことがあるなら、言えばいいだろ!」

「そうですか、私に苛立つのでしたら、謝ります。ごめんなさい……」

「だから、それがっ!」

チッと舌打ちする律。私には謝る言葉しかない。それが、分かっているように律は教室を出て行くのだ。

言えない、言えないですよ。

荒れる様子の律の背中を見つめた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ