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第4章 固い壁

その言葉の意味を理解する。確かに、長谷川に言ったら全てが解決するだろうが、私はムッとしていた。

「それだけは絶対に嫌です! 律には関係有りません!」

「でもなぁ……」

と言葉を止める中垣を、私は睨んでいた。

だって、そんな事をしたら彼の噂が余計に悪くなるし……

優しい人だから、これ以上見えない傷をおって欲しくない。

「中垣君! 絶対、律に言わないで下さいね!」

釘を刺す私に、中垣は渋々頷いた。

だが、嫌がらせは悪くなる一方だった。

ノートに仕込まれたカミソリやら、上履きが無くなったりと徐々にエスカレートしていた。

流石にその不自然な傷が気になったのか、隣に座る長谷川が聞いていた。

「なぁ、最近、傷が増えてないか?」

ギクリとする私は、目を合わせず返す

「ちょっとドジって、自分で怪我をしただけです。なんでも、有りませんよ」

「ふーん」

言った瞬間

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