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第5章 離したくない手

更に

「どうせ、今回の事だって馬鹿正直に騙されて閉じ込められたんだろ」

何だか全てお見通しの発言に、返す言葉が見付からず苦笑いを浮かべる。

そんな、私を見つめる瞳が瞬時に弱々しくなり彼の唇が動く

「ほんと、勘弁してくれ……
お前、俺と関わらない方が良いかもしれないな……」

その言葉は、私の事を心配して言ってくれているんだと分かる。

けど

私は離れたくない!

離したくない……

握る手が弱くなり不安で
不安で……

私はギュッと手を握って

「律は嫌ですか……
私が嫌いになりました?」

そう聞いた。



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