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第7章 蠢く策略

「あの……
律?」

「いいから、気にすんな」

それだけ言って黙る長谷川。

これは持ってくれているのかも。
そう思うと自然と頬が緩み

「気持ち悪、にやけんなよ……」

「いえ、にやけてるつもりはないですけど」

苦笑いで誤魔化す私を長谷川は小さく笑っていた。

そんな私達を探していたのか、野原が駆け寄っていた

「睦月ちゃん!?
よかった、急にいなくなっちゃったからどこにいったのかと思って心配したよ」

と言って、呼吸を直すように胸に手を置く野原に私は

「ご、ごめんなさい。すぐ皆の場所に戻りますね」

そう返したが、野原の視線は私ではなく長谷川の方を向いていた

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