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第8章 狂い出す歯車

落ち着きを取り戻し
真っ赤に腫れた目をしながら
私は隣に座る名取をチラリと見た。

「ん?」

首を傾げ見られ、私は自分の醜態を晒した事が恥ずかしくて俯き言った。

「わ、忘れて下さい! さっきの事は」

「どうして? 別に泣きたいときは泣いていいと思うよ」

「だ、ダメなんです!! 泣いてるだけじゃ、前に進めないので」

ギュッと、ジャージの太もも辺りを握り締める。不意に、その手の上に重ねられた私より大きな手。横を向いた私に、名取が笑う

「無理して頑張るより、たまには寄り道してみたら」

「寄り道ですか?」

理由が分からず、私が首を傾げると彼は私の手を取り指と指を絡める

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