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第8章 狂い出す歯車

「ありがとう……」

涙目で笑顔を向けた私に
名取は

「うん、やっぱり笑った方が可愛いね」

「か、可愛くないですよ」

真っ赤になる顔を隠すように俯いたが
名取との距離が一気に近付いていて

「可愛いよ……」

甘く囁くように言われた。

え?

空気の変化に、顔を上げたときには
近すぎる距離に思わず息を飲んだ。

柔らかなモノが唇に軽く触れ
見開いた瞳
チュッと音が耳に届くと
名取は離れて言った。

「睦月ちゃんの事が、好きなんだけど」

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