天然男子を攻略せよ
第1章 幼馴染みな二人
「そういえば、なっちゃん?」
「ん?どうした?」
「今日って数学の宿題提出日だったり……?」
純は笑っているが顔をひきつらせながら私に聞いてきた。
こいつ……宿題忘れたんだな……。
「もちろん!!」
私は嫌みなくらいにとびっきりの笑顔で返した。
「………そう…だよね~。」
と言って純はひきつった顔のまま回れ右をして今歩いて来た道を戻っていった。
全くー…これだから純は……。
でも純には悪いけど一緒に遅刻はごめんだからね。
「ドンマーイ純!!先に学校行ってるよー!!」
すると純はピタッと止まり私にむかって
「すぐ戻るからー!!」
と大きく手を降って走っていった。
ゴンッッッ!!!!!
びっくりして振り返ると純が電柱にぶつかっていた。
………はぁ。
ほんとに純はとことん期待を裏切らない奴だな。
私はフッと笑みをこぼした。