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トライアングル・ラブ

第13章 声



優貴は声を詰まらせながら何かを言おうとした。


すると、階段を駆け上がる音がした。

そして勢いよくドアが開いた。


「姫奈!お姉ちゃんに帰り牛乳買ってくるように言って!」


お母さんが片手にフライパンを持ってやって来た。


いや、この電話の相手、お姉ちゃんじゃないんだけど。


「よろしくね!」


お母さんはクルリと回り、ドアを閉めてでていった。


嵐が去るとはこのことだろう。

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